劉火華インタビュー


グリーンで書いたのはその時の劉火華の態度です。

注:インタビューしてるお姉さんのセリフは簡略しています。



Q:今日のゲストは劉火華さんです。初めまして。

劉:はじみませて(「初めまして」と言ったつもりらしい:会釈を2回続けてする)

Q:まず、この映画の世界に入ったきっかけについて教えて下さい。

劉:(手を股の上で組み合わせ、視線はお姉さんを見たり宙を漂わせたりしながら)

知り合いの子が北京で演劇学校に通っていたんです。夏休みに帰って来て、その学校のことをいろいろ聞かせてくれて、僕にも「受験してみたら?」と薦めてくれたんです。それで僕が高校2年生の時、試験を受けて入ったんです。

Q:演劇学校でトレーニングを受けて、映画の世界に入った、という感じなんですね。子供の頃は俳優になりたいと思ってはいなかったんですか?

(質問を聞いてる間、ちょっと笑いを堪えて下唇を噛む。ま、分からない言葉で真面目に聞かれてもね)

劉:(組んだ手を擦り合わせながら、相変わらず視線は泳いでいる。最後ちょっとはにかんだような笑いで)

子供の頃、たまにクラスでパーティをやってたんです。その時いつも友達に催し物を薦めていたんですが、実際自分でやった事はなかったんです。でもきっと自分がやったら、彼らより上手だろうなと思ってました。それが最初に思ったきっかけだったと思います。

Q:では小さい頃からの夢だったんですね。では一番最初にやった映画はどんなものだったんですか?

劉:(また手をしっかりと組み合わせて)

多分みなさんご存知の『山の郵便配達』です。

Q:あれは何千人もの中から選ばれたんですよね?5千人くらいの中から20人くらいに絞られたとか。

(一体どこで頷けばよいのか分からなくて、小刻みに頷きまくる:苦笑)

劉:そんな大げさではないけど、たくさんの俳優さんがいましたよ。

(照れてるのか、手振りが少し大きくなって不審な動き:笑)

Q:自分で才能あるなぁとか思いましたか?

劉:僕自身、どうやったら俳優になれるか、全く知らなかったんです。監督に選ばれたのは僕だけだと思っていましたから‥。選ばれた後、偶然監督の机にたくさんの写真が置いてあるのを見たんですが、監督に聞いたら「みんな候補者だよ」って教えてもらって驚いちゃいました。今まで俳優になるための仕組みとか、全く知らなかったんですよ。

(目を少し伏せるものの、大分落ち着いてインタビュアーの目を見て話し出す。手振りはどんどん増えてきて『たくさんの写真』の場面では、30〜40cmほどを示す。だんだん表情が和らいできている)

Q:日本の映画祭などで上映されて話題を呼んでいる『藍宇』という作品についてお聞きします。2人の男の人たちが切ない想いを寄せ合って愛し合うというこの映画で、貴方は一途で純粋な想いを寄せる藍宇を演じられたわけですが、この映画で得られた一番大きな物は何ですか?

(また言葉もわからないのに一生懸命聞いている。この時くらいから手で顔を触りだす)

劉:(なぜか組み合わせた手の人差し指だけを伸ばし『カンチョー』の手をしながら、また視線が定まらない。手は意味もなく動く)

一番得たものは「細やかさ」かな。スタンリー・クワン監督は、細かいところに非常に気を配る人ですからね。『藍宇』は学校を卒業して僕の初めての作品となるので、本格的にこの世界に入るには、とても良いレッスンだったと思いますね。この世界では「細やかさ」が本当に大切なんだと思いました。

(目を伏せて、手は絶えず動いている)

そして初めて同性愛の世界を探ってみた事もね。アジアでも欧米でも「同性愛」の映画は、主題を強調しすぎる傾向にあります。つまり最初から「同性愛の映画だよ」って宣伝するんですよ。でもスタンリー・クワン監督の考え方はそうではないんです。

(ちょっとずつ言葉につっかえ出して、言った言葉を確かめるように大きく頷く。また手振りが増えてくる)

観客に伝えたいのは、これも本物のラヴストーリーだという事なんです。つまり、同性を愛するという事を除いて彼らは他と何も違うところはないという事です。

(両手の人差し指でこめかみを押さえたり、肘をついたかと思えばまたやめたり。そのままウナジの髪をつまんだりする。非常に落ち着かない)

同性愛に対する観念を変えていく事を期待してるんです。

(時々目を伏せるものの、だんだんインタビュアーの目をしっかりと見始める)

Q:スタンリー・クワン監督の作品はよく見られましたか?

劉:(嬉しそうにわらって大きく頷きながら)

見ましたよ。『ロアン・リンユイ』『ルージュ』『赤い薔薇白い薔薇』を見ました。

Q:では以前から憧れていた監督と一緒に仕事が出来て、嬉しかったですか?

劉:(少し表情は和らいでくるものの、手振りは一向に落ち着かない。しかも喋りと余り合っていないようなジェスチャー:苦笑)

スタンリー・クワン監督はとても良い人なんです。人柄と才能は一致するものだと思いますよ。監督は人柄がいいので、一緒にいて心地よくて、映画を作るのが楽しかったです。

(最後は大きく頷く。ちょっと大げさなくらい。子供が勝手に納得して頷くさまに似ている)

Q:監督さんの方から声がかかったんですよね?

劉:(目は伏せ目がちに、でも嬉しそうに笑いを堪えて照れながら)

そうです。彼は大変優秀な監督で、私は彼の才能と人柄などすべてを信じているんです。

(少しテンションが上がってきた感じ)

彼なら絶対に素晴らしい作品が出来ると思っていました。私は同性愛に対して偏見を持っていないけど、自分には有り得ない事です。

(なぜか両手を広げて自分の前に壁を築くような手振り)

それでもこの映画の仕事を受けたのは監督を信じていたからですね。

(嬉しそうに笑いながら、やっぱりワケの分からない手振り)

Q:では藍宇の一番大きな成功とは何だと思いますか?

劉:真実味だと思います。

(少しの間考えて、髪を大きく触りながら)

人々に、それが本当の話だと信じさせる力です。

(つっかえつっかえ考えながら話す。手でこみかみに触れたかと思えば頬に触れたり後頭部、ウナジに触れたり、口から顎に移動したりする。手がかなり落ち着かない)

私が出演する映画『パープルバタフライ』のロウ・イェ監督も「同性愛の映画のつもりで藍宇を見るならバカだよ」って言ってました。スタンリー・クワン監督もロウ・イェ監督も、当たり前ですが監督です。ロウ・イェ監督も、監督賞をもらうほどの監督なんです。そんな監督の2人が言う意味は、個人的性向を捨てて、客観的に見た方がいいと言う事なんです。

(「うまくは言えないんだけど」みたいな表情。手は常に首から上をあちこち触っている)

そうすればこの物語はもっと真実味が増すんです。

(最後には「う〜ん、つまりそんな感じなんですよ、そんな感じ」と笑ってるような表情)

Q:台本選びの基本は何ですか?

劉:(また両手を擦り合わせて)

台本は映画とテレビドラマの2種類ありますよね。私はどちらかといえば映画が好きだから、まずその中から映画の台本を選びます。次にその台本が私に向いているか、そして私が感じた事と映画の伝えたい事が一致しているかどうかです。後はその映画の監督の今までの作品を見ますね。もし作品がない場合は、その監督と話し合って、監督の考え方を知った上で判断しています。

(手はずっと擦り合わせている。頭も視線もフラフラし出してちょっと危ない感じ:苦笑)

Q:台本をもらってまずやる事は何ですか?

(なぜだか両手を後頭部にあてて組み、髪の中に手を差し入れながら、その姿勢で固まって聞いている)

劉:(ちょっと困ったような表情で)

ただ一生懸命台本を読むだけですよ。他はあまり何もしませんね。たとえば人物分析や関連情報を調べる事とかはしないんです。

(また手が落ち着かない)

監督が「アクション」と言った瞬間から全ての感情を調整するんです。

(ここでいきなりカメラ目線。嬉しくなったのか、ちょっと笑顔が増える:素人じゃないんだから:苦笑)

普段は特に何もしていません。

Q:何かを勉強するのではなく、自分の感性を演技に生かすんですね。

(インタビュアーの目を、身動きせずじっと真剣に見ている)

劉:(またまた手を擦り合わせて、それを見るために目を伏せながら)

だいたいそんな感じです。この前17回NGを出した事があったんですよ。

(またカメラ目線。しかも一瞬じゃない:笑。その後イヤそうな顔をする。なぜか『NG』を表すのにスポーツで使う『タイム』の『T』の文字を手で作って見せる)

その時はどうしても僕は納得いかなかったんです。

(またカメラ目線。どうやら1回気になってしまうと、どうにも気になりまくるらしい)

幸運なことに、どの監督も私のわがままを許してくれました。

(また意味もなく手を擦り合わせている。そして話の最後はやっぱり大きく頷く)

Q:何から影響を受けていますか?

劉:(視線が少し落ち着く)

「山の郵便配達」のフォ・ジェンチイ監督です。

(でもまた視線がふらふら)

それは私の初めての作品ですから。中国では特に舞台劇の演劇学校を出た人は、誇張した喋り方をするクセがあります。

(ここでオペラ歌手のようなジェスチャーを2回続けてやる。さらに低い声真似までする。『インビュアーのお姉さん、笑ったってくれ』と思う瞬間:笑。でもお姉さんは質問を書いた紙を見て少し退屈そう:涙)

でもフォ・ジェンチイ監督が追求するのは自然の作風です。彼はそれを一番強調しています。

(視線がまた落ち着く)

「山の郵便配達」は私の初作品だから、その作風を自分の原点にしようと思ったんです。フォ・ジェンチィ監督の影響がとても大きいと思いますね。

(嬉しそうにニッコリ笑って、また何度も頷く)

Q:演技力を向上させる為にしている事はありますか?

劉:この世界に入ってまだそんなに経っていないですが、もう9作品作りました。

(少し顔をしかめながら)

それは若手の俳優には相当な量だと思います。いつも映画を撮っているから、新鮮味を感じなくなる時もあります。

(やっぱり手は落ち着かないが、視線は落ち着き出す)

それはとても怖いことですね。自分の演技を向上させるにはそれは障害になってしまいますから、その対策は2、3ヶ月くらい休んで、映画を観たり外で散歩して新鮮な空気を吸ったり、あるいは自分のやり方を少し変えたりする事ですね。

(相変わらず手を擦り合わせているものの、視線はかなり落ち着いて『思っている事を言ってるな』という気がする)

私は学生時代に喜劇が好きだったんです。

(ここで可愛らしくおどけるように笑い、チラッとカメラ目線)

もし喜劇を演じる機会があれば自分の演技にプラスになると思います。

(ゴリラのような手振りをつけながら)

Q:演技の中で一番大切にしているものは何ですか?

劉:(椅子に座りながらも体全体が落ち着かない様子で。でも視線は大丈夫。足を伸ばす)

迫真性でしょう。喜怒哀楽を表現する時、自分が半信半疑だったら迫真な演技は出来ないですからね。

Q:他の国でも仕事をしてみたいと思いますか?

劉:チャンスがあるかどうかという問題もありますね。でもチャンスがあれば、もちろん自分の映画が日本や台湾、香港、韓国など、もっと多くの地域で上映されて欲しいです。

(ここでつっかえながら)

もちろん日本などの国と一緒に映画を作る事を望んでいます。

(「もちろん、もちろん日本とも一緒に〜」と言った感じかも)

Q:では日本からオファーがあれば、来ていただけるんですね。

劉:今も、日本投資で映画を作る話があるんですよ。後、台湾や香港からもオファーがきているので、まだどれにするか決めてはいません。

Q:それは気に入ったものがまだ見付からないからですか?

劉:(大いに照れて困ったように、身体を少し縮ませて。最後には笑いながら)

みんな素晴らしいものなので、選ぶのが難しいんですよ。

Q:日本に遊びに来る予定はありますか?

劉:ないですね。

(即答に近い:涙。「そんなの有り得ないです‥」みたいな苦笑混じりで)

もちろん行きたいんですが、ずっと仕事が忙しくて実現出来ないんです。でも今度私の昨年の作品が、東京映画祭に出るので行くかもしれません。



恋人選び


Q:ここに写真があります。この中からお気に入りのものを選んでください(いくよ・モモコ・島田珠代・大助花子の花子・花子・あと三名不明の写真を劉火華に手渡す)

(話を聞いている段階から身を乗り出して、写真を少し差し出されただけでもう手が伸びてる状態:笑。かなり楽しそう)

劉:(どれも写真がイマイチなせいか、目はインタビューのお姉さんを見ながら)

僕は真面目だから、もし彼女を探すなら、どんな子かなって真剣に考えちゃうんです。

Q:では真面目に考えてください。これも真面目ですよ。

(困ったように笑いながら何度も頷いている。そして写真を扇状に広げ、声に出さずに、「ど・れ・に・し・よ・う・か・な」で島田珠代を「うん」と言って選ぶ。まるで「ああ悪くない悪くない」といった感じ:ま、この中ではまだマトモな写真だったしね)

Q:どう思いますか?

劉:一緒にいると毎日が楽しそうですね。

(何とも言えないジェスチャー。恐らく『楽しい』を現したいのだと思う。何度か写真を見る)

Q:最後に一言、ファンの皆さんに。

(また言葉も分からないのに、身を乗り出してお姉さんを見て話を聞いている)

劉:(カメラ目線で笑顔)

はじみましてどうぞよろしこ。がんばっで。

(全て棒読み:苦笑。「がんばっで」では、半端なガッツポーズをしながら。最後は深めの会釈。思わず会釈を返してしまう私:笑)

サインを書いて(机も無くてひざの上で:涙)書き終わるや「どうしたらいいの?」と少し間抜けな顔でキョロキョロ。そして指示に従ってサインをカメラに向かって見せながら、やっぱり頷く。



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